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『同和利権の真相・』(宝島社文庫)インタビュー記事


  この対談記事は、別冊宝島44号の『同和利権の真相2』(宝島社、2004年2月)及び同文庫版『同和利権の真相・』(宝島社、2004年4月)に掲載されたものです。インタビュアーは、寺園敦史氏とともに部落解放同盟の利権問題を一貫して追求してきた一ノ宮美成氏です。一ノ宮氏及び宝島社の了解の下に、私のホームページに掲載することになりました。インタビューは、私も一員として参加した東大阪市同和行政研究会の『東大阪市における同和事業の終結に向けての意見書』(2000年8月、以下、意見書という)に基づいています。意見書は、近くこのページに掲載する予定です。読者諸兄にはまずインタビュー記事を読んでいただき、続いて意見書を読んでいただければ幸いです。
広 原 盛 明
『同和利権の真相・』(宝島社文庫)インタビュー記事 全6P
目次


●まえがき、権力構造の暗部と”人権マフィア”

●【大阪】東大阪市「荒本地区」「蛇草地区」の現実
・汚職のデパート
・結婚の問題は、すでに乗り越えられた
・家賃不払い問題の深刻さ
・再生産される同和地区
・アウトローの巣窟になる日
・乱脈同和行政が目指すもの

まえがき、権力構造の暗部と”人権マフィア”

  2004年2月に行なわれた京都市長選挙で、市民グループから推されて出馬した元京都府立大学学長の広原盛明氏は、「脱・同和利権」というスローガンを常に掲げて戦った。選挙では敗北したものの、支持者や有権者、あるいは対立する現職候補グループの人たちは、このスローガンにさして違和感を覚えなかったようだ。過去、各地の首長選挙や地方議会議員選挙において、同和行政の是正・終結を主張した候補者は珍しくないが、「同和利権」という言葉で行政が抱える問題点を表現した候補者は、おそらく広原氏が初めてだったのではないだろうか。

  「同和利権」という言葉自体、以前からあったと思うが、それが少なくとも部落問題に何らかの関心を有する人たちの問に定着したのは、2002年3月(同和対策事業特別措置法=同特法が完全失効する直前)より刊行が始まった<同和利権の真相>シリーズによって、と言ってもよいであろう。それほど反響はすさまじかった。市民の問に長くくすぶり続けてきた同和行政と解放運動に対する疑問や不信の根拠を、明確な事実によってあとづけ、そこから生起した腐敗現象を日の当たる場所に引きずり出したからである。

  腐敗現象は、「同和問題の解決は国の責務であり、国民的課題である」という何人も反対できない命題のもと、同和対策事業という巨大な公共事業を実施し続けた行政と、特権的な地位にある運動団体がリンクすることによって生まれてきた。それはたんなる「乱脈不公正な同和行政」「運動団体言いなりの同和行政」という枠を大きく超えたスケールで存在する。日本の権力構造の暗部をかたち作るものだと言ってもいい。我々はこのような状況を表わす言葉として「同和利権」という言葉を使ってきた。

  本書は、この<同和利権の真相>シリーズ第2弾を文庫化したものである。親本の発行は2003年3月、つまり同特法が完全失効して1年経った時点だ。第1弾が「同和利権」の構造を歴史的にさかのぼって詳述したのに対し、この第2弾は、同時法体制の末期、そして法失効後においても、しぶとく生きながらえる「同和利権」の現在を中心にレポートしている。法失効後、「人権行政」の名のもと実質的な同和対策予算を逆に倍増させてしまった大阪市の迷走、「BSE隔離牛肉」買い上げ制度の死角を突いたハンナングループの「錬金術」、部落解放同盟の温泉旅行を毎年巨額の公金で「支援」し、同時に「裏金」まで渡し続けていた京都市の呆れ果てた慣行、同特法制定時より「同和地区」が存在しなかった東京都での解放同盟による行政私物化の実態、ごみ焼却施設・中部国際空港建設などの公共事業で暗躍する解放同盟系「同建協」の暗躍ぶり……等々だ。近年の事件・不正を通して、イタリア刑法第43条がいう「マフィア型結社」になりつつある運動団体の実態を洗い出している。人権行政全般にも影響力を発揮し始めた運動団体の姿は、まさに″人権マフィア″と呼ぶしかないものであろう。

  ところで、本書の親本刊行後しばらくして、我々が徹底的に批判を加えた部落解放同盟が<同和利権の真相>シリーズに対する中央本部名での長文の「見解」を機関紙『解放新聞』(2003年4月14日付)に発表した。この「見解」に対してはシリーズ第3弾で反批判を行なったのでそれを参照していただきたいが、解放同盟は、本シリーズで指摘された「同和利権」の事実には一言も抗弁することなく、ただただ我々のことを指して、「日共=『全解連』の別動隊による差別キャンペーン」「悪らつな商業主義」などと叫ぶだけだった。

  「見解」は解放同盟内部・周辺でも相当評判が悪かったらしく、2003年末には、解放同盟の出版部門を担う解放出版社より『「同和利権の真相」の深層』という本も刊行された。ところが同書においても、指摘したことへの反論も反省もなく、いつものことだが、すべて他人の「差別意識」に責任をなすりつけている。この本に対する批判もいずれシリーズ続刊で行なうことになろう。ともあれどのような批判があろうとも、本シリーズの価値は決して色あせるものではない。本書を通読すれば、それを認識できるはずである。
                                                                            編著者一同
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