4.まちづくりの主体
「まちづくり」の第3の意味は、この言葉の中に組み込まれているまちづくりの主人公は市民・住民でありたいという強烈な主体意識の存在です。都市計画への市民・住民参加が進んでくると、都市計画を最終的に決定するのはだれか、まちづくりの主体はだれかという基本問題に必ず行き当たります。従来のシステムでは、都市計画は国の事務であり地方自治体は国の機関委任事務を代行しているにすぎず、市民・住民はそのプロセスの一部に意見を述べるだけの形式的参加の機会を与えられていただけでした。
地方自治には、地方自治体が独立した権限と責任において行政を執行できる「団体自治」及び地域住民が自らの要求や意見を反映させるために地方行政に参加できる「住民自治」の両側面があります。1999年7月に公布された「地方分権一括法」は、地方自治体の都市計画行政を歴史上はじめて「自治事務」と認めましたが、実質的には国との「協議」と「同意」を義務づけ、また都市計画事業の補助金交付を通して依然として中央集権的な権限を維持していて、地方自治体の団体自治は大きく制約されています。事態は本質的には変わっていないというべきでしょう。
とはいえ最近の新しい傾向は、「法定都市計画」においてはなんら権限を与えられていないにもかかわらず、若者やボランティア団体などが主体となった自主的なまちづくりがどんどん進んでいることです。自分たちがやりたいことをできるところから着手し、成功すれば継続するし、失敗すれば撤退するという「気軽なまちづくり」があちこちで生まれています。これはまちづくりが始まった頃の反対運動や社会運動とは全く違った水脈の中から生まれてきたものです。敢えて言うならば、それは「まちづくりの日常化」であり、「勝手連のまちづくり」だといえるかも知れません。しかし重要なことは、それは疑いもなく「住民主体のまちづくり」のひとつの表れだということですし、たとえ当初は小さな分散的な流れであっても合流するたびに必ず大きな流れに成長していく歴史的な胎動であることは間違いないと思われます。