広 原 盛 明
はじめに
 
  2月6日の「災いを考える京都シンポジウム」の感想について述べたい。まず参加者が予想外に多かったのには驚いた。3百数十名もおられただろうか。それも災害問題に専門知識を持った方が多かった。河川土木の技術者や研究者、気象台の関係者、消防署員、都市計画コンサルタント、建築職人、建築家、それに多数の京都府下自治体の職員などなどである。他府県からも結構参加されたらしい。主催者に聞くと、いわゆる組織動員ではなくて任意参加だとのこと。それでこれだけ多くの方々が来られるのだから、やはり災害問題に関する住民・市民の関心が非常に高まっているということだろう。
  報告の中心は、昨年11月の台風23号関連の風水害だ。しかし参加者の関心と議論は、京都市内の河川氾濫や地震災害の可能性など多面的にわたった。私の報告は、最近の災害問題の変容とそれにともなう防災対策の基本的な考え方についての提言である。もちろん私は災害問題の専門家ではない。ただ10年間にわたって阪神・淡路大震災の復興まちづくり支援をしてきた経験から、日本の防災対策とりわけ復興対策には根本的な欠陥があることを痛感してきた。それに最近視察した京都府北部の風水害現場や新潟中越地震調査の印象から、大都市の災害と過疎地域の災害は全く様相が異なり、したがって防災・復興対策も一律的には論じられないことを感じていた。私に与えられた時間は僅か40分程度だったが、そんな気持を少しでも伝えられたらと思って参加したわけだ。

--------------------------------------------------------------
全3P

3.事前復興を担うまちづくり