←back
注:こちらの文章は旧掲示板より抜粋したものになりますので、
本文に記載のあるイベントは既に終了しております。
21世紀の同和地区の行方
〜発展的解消かアウトロー地区への転落か
広原 盛明

2004年7月28〜29日、「第53回、人権と部落問題全国夏期講座」(社団法人部落問題研究所主催)が京都教育文化センターで開催されます。私は、29日(木)午前9時30分〜午後4時までの第1分科会「同和行政終結と住民の自治・自立」において、基調報告を担当することになりました。以下はそのレジュメです。
周知の如く、京都の部落解放運動とそれに屈従する京都市の同和行政は「展望を見失った果てしない泥沼」から抜け出せないでいます。部落解放運動と同和行政を推進すればするほど、同和利権がはびこり同和地区が継続していくという悪循環が続いているのです。この悪循環を断ち切り同和利権を根絶するには、解同との癒着関係を清算し、同和行政を完全終結して地区住民の自立を促す他はないのですが、京都市政の現状は目を覆うばかりです。この夏期講座への市民の皆様の積極的な参加と討論を期待しております。


同和行政終結と住民の自治・自立 広 原 盛 明(京都府立大学前長)

1.いま京都の同和地区で起こっていること
(1)未曾有の世帯・人口流出
4885世帯・12590人(1991年)
3873世帯・ 8172人(2000年)
−1012世帯(−20.7%)
−4418人(−35.1%、前回−10.6%)

(2)中核的世帯主・青年層の流出
*40才台前半(前回30才台前半)
中核的世帯主の66.8%流出
*高校・大学を卒業した10才台後半から
20才台前半青年の44.5%流出

(3)部落コミュニティの崩壊、属地属人主義的同和行政の破綻
*リーダー層の流出、「通い」のリーダー

(4)部落解放同盟の新たな策動
*「まちづくり」という名で解同主導の改良事業を継続
*解同のNPO法人化による同和地区管理、
   継続的受託収入財源の確保
*形骸化した部落・同和地区の維持
  (差別を口実にした利権構造の維持)

2.なぜ未曾有の世帯・人口流出が生じたのか
(1)部落解放運動の理論的陥穽(落とし穴)
*憲法第22条の軽視。「何人も公共の福祉に反しない限り、
   居住、移転及び職業選択の自由を有する」
*部落コミュニティへの固執
  (部落民宣言、部落アイデンティティ論など)

(2)属地属人主義的同和行政・改良事業の破綻
*「改良された部落」の固定化・衰退化
*物取り主義・行政闘争主義による
   「同和トラップ」(同和行政の罠)の深刻化
*シティズンシップ(個としての主体性、
   市民的規範、市民的連帯)の未成熟
*社会的・文化的低位性(負の遺産)の再生産、
   非自立的ライフスタイルの継続

(3)同和行政終結による同和事業の先細り
*同和行政に対する批判的世論の拡大、肩身の狭さ
*これ以上の「旨味」は期待できないという功利的判断
*窓口一本化の消滅、解放運動への嫌気と離脱

3.21世紀における同和地区の行方
(1)地区住民の混住化と主体性発展を通して部落解消にいたる道
*憲法第22条の実践、転出する自由・転入する自由の保障
*混住化にともなう地区住民の基本属性の変化
*近代的ライフスタイルの形成と市民意識の涵養
←back