5月10日:次期市民派京都市長候補、中村弁護士に期待する
(2008年京都市長選挙を迎えて、その1)

 早いもので、来年の2008年2月はもう京都市長選挙だ。京都市長選は、オリンピックイヤー(開催年)と重なっているので覚えやすい。しかし、この4年間の時間の流れ方はやけに早かった。私にとって2004年選挙前後の2年間はとくに濃密な活動期間だったので、その後はあっという間に時間が過ぎ去ってしまったような気がするのである。

昨日、中村弁護士(52歳)の立候補記者会見の記事を読んだとき、4年前の今頃のことが思い出されて、「中村さんも大変だなあー」と思うと同時に、「若いのだからなんとか頑張ってほしい」と願わずにはいられなかった。なにしろ京都の2月は1年中で一番寒い。その寒風の中を朝から晩まで走り回るのだから、身体にこたえることこの上もないのである。おまけに候補者カーは窓を開けておくことが原則だ。都知事選に出た黒川紀章氏のように、窓を開けないでも車内の候補者が丸見えになるような特注の選挙カーなど期待すべくもないので、候補者は「吹き曝し」になる他はないのである。

 中村弁護士とは旧知の間柄だ。龍谷大学法科大学院の客員教授として労働法を教えていただいているし、ついこの間まで、「市民ウオッチャー・京都」(正式名称は、「情報公開と行政監視に取り組む京都・市民の会」)の同和不祥事問題の勉強会でもご一緒していた。正義と公正を尊び、不正と腐敗を憎む溌剌とした中堅の法曹家だ。夫人もジェンダー問題にくわしい弁護士で、中村氏は食事の準備から子育てまで、文字通り男女共同参画を日々家庭で実践している「時代の人」なのである。

 中村弁護士の人柄と活躍ぶりは、なによりもこの10年間にわたるオンブズマン活動、「市民ウオッチャー・京都」の活動の中に凝縮されている。京都市政や市議会の中に巣くっている数々の不正・腐敗・利権問題を市民の眼で鋭く監視し、彼らが不正を隠蔽しようとするときは容赦なく告発し、綿密な調査活動や訴訟で真相を解明する。市当局や市会議員にとって、これほど手強い相手はいないのではないか。

 なかでも圧巻は、この数年間にわたる同和不祥事問題に対する徹底した追求だろう。『だれも書かなかった「部落」』(かもがわ出版)や『同和利権の真相』(宝島社文庫)など、同和不祥事問題の実態を詳しく取材してきたフリージャーナリストの寺園敦史氏などとともに、「同和問題学習会」と称する部落解放同盟(解同)の豪華温泉旅行の実態を徹底的に調査し、それが京都市とグルになった公金詐取事件であることを完膚無きまでに明らかにしたのはその一例だ。判決にしたがい、解同が数千万円に上る市民の税金を返金せざるを得なくなったのはこのためである。この訴訟を通して、京都市や解同にたいする裁判所の態度が大きく変化したという。

 4月26日に公表され、京都市に対して申し入れがなされた『京都市職員の犯罪・不祥事根絶のための提言−市役所の腐敗体質の抜本的改善にむけて−』は、いかなる思想信条をも超えて慄然とせざるを得ないような醜悪な事実であふれている。これを読むと、京都市役所はまるで「解同天国」であり、「解同解放区」であるかのような印象さえ受ける。「市民ウオッチャー・京都」の活動が存在せず、事態究明のための努力がなかったなら、京都市役所は大阪市役所と同じく、「骨の髄」まで同和不祥事問題で侵されていたと断言できる。

 提言の中身は「市民ウオッチャー・京都」のホームページに掲載されているが、私もこの提言に至るまでの「市民の立場で京都市職員の不祥事問題を徹底究明する調査プロジェクト」の一端に連なっていたので、とくに許しを得て、私のホームページにも掲載させていただくことにした。「最近の論考から」の頁である。

 読者の方々には是非ともこの提言に目を通してほしいが、私の感想は、「同和不祥事問題に対する認識がまだまだ甘かった」というものである。4年前の京都市長選挙時の私の公約は、「脱同和利権」、「脱高層マンション」、「脱高速道路」の3本柱だった。このなかで高層マンション問題は、今回の新景観条例の制定でなんとか抑止出来る目処がついたが、巨額の市民の税金を投じる高速道路建設は着々と建設中であり財政の傷跡を広げているので、事態は何ら変わっていない。しかし最大の問題は、同和不祥事問題が「同和利権」程度の問題ではなく、京都市役所の心臓部にも達しているような極めて深刻な事態を引き起こしていることが明らかになったことであった。(続く)
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