6月7日:暴力団舎弟企業か、同和偽装公益法人か(続き)
それからもう一つ、私が「解同」の新しい策動として注目するのは、同和事業の終結以降、彼らが全国各地で盛んに「公益法人」や「NPO」づくりに精を出していることである。今回の小西事件で最も私が気になったのは、彼の犯罪行為がすべて「財団法人」や「社会福祉法人」を舞台にして展開されていることだった。公益法人とは読んで字の如く、「公共の利益を目的とし、営利を目的としない法人」のことである。どういう経緯で飛鳥会が「公益法人」として認可されたのはよく知らないが、「公益」を表看板にして同和利権をいつまでも温存しようというのであれば、これほど社会を欺く行為はない。まさに「同和偽装公益法人」といわなければならない。
しかし「財団法人・飛鳥会」などはまだまだ小さい存在だ。もっと大規模で強力な影響力を持つ公益法人に「社団法人・大阪市人権協会」がある。この公益法人は、1953年に発足した「大阪市同和促進協議会」(略称:市同促)が前身で市内12地区に地域支部を持ち、「解同」が実質的に支配している最大の拠点組織である。この社団法人は大阪市から「指定管理者」としての資格を付与されて、同和行政・同和事業関連施設の管理を一手に引き受けている。その管理費として毎年膨大な予算が注ぎ込まれる仕組みになっているのである。もちろん会計監査などは一切行われない。完全な「フリーパス」なのだ。だからどんな不正や犯罪があってもわからない。大阪市が小西事件と同じように帳尻を合わせてくれるのである。こうして市民の税金の横領と無駄遣いが、「解同」と
大阪市の協働によって営々と続けられているわけだ。
まだある。それは同和地区に建設された「改良住宅」の管理問題である。大阪市には公営住宅法に基づいて供給されている公共賃貸住宅すなわち「市営住宅」がある。その中に主として同和地区住民を対象とする「改良住宅」が2005(平成17)年度末で約7600戸もある。この改良住宅の入居者を実質的に決めるのが従来では「市同促」、現在ではその後身の「人権協会」だといわれている。
公営住宅は公共の財産であって、住宅に困っている人たちのために相対的に安い家賃で貸し出される公共賃貸住宅だ。だから市営住宅や府営住宅の空家募集がされると、現在でも何十倍もの応募者が殺到するのである。入居者の決定が公開抽選によって厳格に行われるのは、公平さを担保するためである。
だが「人権協会」を通して行われる入居者選考や決定は、いったいどんな手続きで行われているのか全く公開されていない。「密室選考」であり「密室決定」である。だから果たして同和地区住民でかつ住宅困窮者が入居しているのかどうか、その実態は全くわからない。
私は、かって東大阪市で改良住宅の管理方法について市長に「改善答申」をしたことがある。大阪市と同様の方法で入居者が決められていた東大阪市の改良住宅は、「これが法治行政か」と思わずのけぞるほどの乱脈行政だった。まず第1に、名義人と実際の入居者が異なるケースが非常に多かった。当初の入居者が何かの理由で退去したり、転居したりしたあとに、全くの別人が入っているのである。しかもこの別人の入居者が支払っている家賃は、正規の改良住宅家賃とは違ってかなり高かった。「差額」が誰かのポケットへ消えているのである。これは公営住宅法上の二重三重の違反であり、公共財産の私物化の典型だ。
第2は、入居者名簿と本人が一致しているが、この本人が本来の同和地区住民でもないのに、一般市民が同和地区住民と「認定」されて堂々と入居している例もあったことだ。誰が「認定」したかというと、これが「解同」が支配する「市同促」なのである。そしていったん「認定」されると、改良住宅への入居をはじめとして、数々の同和個人給付が受けられるようになっている。一般市民をわざわざ同和地区住民に仕立てる役割を、「解同」と行政が協力してやっているのである。これでは同和事業は永遠になくならないだろう。
第3は、格安の家賃でありながら、10年以上も家賃を滞納している入居者が驚くほど沢山いることだ。しかもその大半がれっきとした東大阪市の公務員だから、開いた口がふさがらない。彼らは市民の税金で給料をもらいながら、公営住宅の家賃を納めないで平気なのだ。しかもそれが長期間継続しているにもかかわらず、市の人事当局は給料からの天引きも何もしない。まさに「やりたい放題」とはこのことだといわなければならない。
大阪市の改良住宅でこのような実態が果たしてないのかどうか、早急に調査委員会をつくって調べる必要がある。大阪市は当然のこと、「解同」も率先して事実究明をやるべきだろう。マスメディアも独自に取材すべきだ。何も全団地を一挙にやれとは言わない。どこかの1団地を「テストケース」として取り上げて、一度徹底的に洗ってみてはどうか。そうすれば、小西事件如きとは桁違いの「巨悪」が暴露されるだろう。
7600戸の改良住宅の家賃収入は巨額である。小西擁護者の経営していた駐車場などとは比較にならない大きな収入だ。それが適正に管理されて家賃がキチンと納められているのかどうか、入居者は適正な手続きをして入居しているのかどうか、不正な「また貸し」や「私営賃貸住宅」は存在しないのかどうか、この際徹底的な実態調査が必要だろう。
また国も「特別監査チーム」を組織して調査に乗り出すべきだ。改良住宅には莫大な国庫補助金が注ぎ込まれている。会計検査院は同和事業に関していままでいったいどんな会計監査をしてきたというのか。国と自治体がこの際徹底的に「膿」を出し切らないと、同和行政は本当に終結させることはできないだろう。
暴力団は取締りがきつくなると「舎弟企業」をつくって偽装する。「解同」がいま盛んにつくっている「公益法人」がすべて偽装だとは言わないまでも、今回のような小西事件の展開をみると、あながちそうではないと言い切れない。同和事業の洗い出しと平行して、同和系公益法人の実情を調査することも忘れてはならない。要するに「同和で飯を食う連中」をなくすことが、同和問題の最終的な解決を導くのである。